山下雄平・文;2024
お久しぶり山下雄平です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
【山下雄平・文;2024】と題してみたものの、まだまだ現在進行形で様々なことが進んでおり、ストンと落とし所を見つけたというよりは、どちらかと言えば断片的・局所的な雑感になることを予めご了承ください。そしてきっと(絶対)長いです。
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まず2024年と言うと、僕の中では新たに始めたバンド・HIGH END LIE(ハイエンドライ)に全て集約されるかと思います。結成日は2024年1月20日、活動拠点はライブハウス・横浜は戸塚ファーストアヴェニュー。どこかでも言ったように思いますが、人生初のバンドです。音楽キャリアの中で、初めてバンドを組みました。大学卒業から下積みを経て2010年にシンガーソングライター・山下雄平としてCDデビュー、2014年に活動休止、その過程においてバンド編成というものはその時々様々な形で経験してきましたが、純粋に自分のバンドを組むのは初となります。
そうして2021年、かなりすっ飛ばして先にお話しすると、休眠状態にあった山下雄平チームの再編。このチームでは主にマネジメント、原盤の企画・制作、ライブの企画・制作が行われてきまして、ノウハウを持ったまま7年程眠っている状態にありました。多種多様な人々の出入りがありましたから、エキス的要素が逆に濃縮された感と共に。
ちょうど世の中がコロナ禍初期にあたる頃、僕の生活も環境ごとごっそりと変わり、久しぶりにBlue Lodge Records(ブルーロッジレコーズ)の蔵の扉を開けて中に入ってみたんです。不思議と残すべきものと、外に出してしまおうと思うもの、感覚的に分かった気がして。とりあえず蔵の中を掃除するように動き出して、仲間にも相談しながら最終的にはコアだけを残して再起動させようと。で、僕が当時個人的にやっていたプロダクト系の仕事(コピーライツ、言葉領域のプロダクトデザイン等)のレーベルと融合する形で現行のMODE / Blue Lodge Records(モード*ブルーロッジレコーズは表記のみで読まない)が前身から地続きで稼働しているという状態です。
2022年には、現在チームで深部のクリエイションを担っている鈴木紫峰都さんとの再会がありました。メールする、即電話来る、会う、みたいな感じで、それから今があると考えると恐ろしい位の速度と密度ですね。山下雄平本格再始動からこの二年間、多くのリリースと企画・制作面全般をガッチリ支えて頂きました。又アレンジャー・エンジニアとしても山下雄平のソロプロジェクト『風景』に参加して頂いて、また一つ大切な道筋を作って頂いたように感じています。
2023年、現在HIGH END LIEのメンバーとして共に音楽を作っている濱上雄大・嶋隆裕との運命的な再会がありました。こちらもメールする、即連絡来る、会う、という流れからもう今がありますから、冷静に考えると有り得ないことが今起こっていて、起こり続けていて、これから更に僕達が想像もしなかったような状況が待っているのだろうと、僕は何かこう、強く思うんです。再会が4月下旬、初リハが8月中旬、そして三人で初めてステージに立った2023年11月26日。山下雄平としては2014年から数え凡そ9年ぶりの単独公演『彩生』、山下雄平・濱上雄大・嶋隆裕という新たな布陣で臨みました。このとき厳密には濱ちゃん・嶋くんはサポートメンバーでしたが、もうバンドという気持ちでいましたし、実際年明け2024年1月20日には横浜・戸塚にあるガストで僕からバンド名を発表し、正式にバンド結成となり。来る6月29日『彩縁』ステージでの発表に向け一気に動き出し、途中僕が過労気味で倒れながらも「YES」という楽曲を書き、遂にはHIGH END LIEの1st Digital Singleとして2025年1月1日にリリースされることになり。濱ちゃん・嶋くんとはもう不思議な位、10年位バンドやってきたような気がしていますが、まだ1年経っていないという。正式な結成から、まだ1年に達していない。この感覚を今リアルに感じていて、それすらもいつ分かるんだろうとのめり込んでいた今年10月26日のバンド初ワンマン『現出』。一言で、端的に言えば、出ていた、と、僕は思うんです。そう振り返るし、今思うし、それ以上でも以下でもないと感じているんです。経ての実感、凄かったです。やはり初のバンドレコーディングに与えた影響と、これからのビジョンへのエネルギー。それらを存分に頂いたと思います。
僕は今バンドの曲を書くことに何のプレッシャーもないと言うと語弊があるかもしれませんが、ソングライツ自体には何のプレッシャーもありません。もう既に自分の中にあるものを書くだけ、ただそれだけのヘルシーなソングライツ。音楽人生史上、最も数を書けるタームに、本当に有り難いことに今入っておりまして。これも全ては応援して頂いている皆様と、関わって頂いている方々のお陰だなと思います。本当にありがとうございます。本当に皆さんのおかげです。書いている、なんてもうおこがましい位の、書かせて頂いているという心境。見るよりも感じるもの・こと。そして聞くことで言葉やメロディーは聴こえてきます。そんなところを掬い上げながら、HIGH END LIEの楽曲の根幹を作っています。
幾億年もの時を超えやってくる濱ちゃんのギターフレーズ、それを誰もが楽しめる体験に変換できる嶋くんのドラムとキャラクター、僕達にはこれがあります。たまに三人以上のバンドというキーワードが出るんだけど、複雑なことは全部を置いておいてでも守り抜きたい輝きみたいなものが今の三人にはある気がしていて。そこには一ミリの論理もなく、ただ真っ当な感覚と安らぎだけがバンドの音楽として荒野に晒されているように感じます。この時代にそぐわなくても、僕達は泥臭くいくでしょう。そこに迷いはありません。けれどでももしも、時代が僕達の発する何かを僅かでも受け取ってくれたならば、何か起こるかもしれない、僕達はいつも握りしめています。
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さてバンドはというと、11月にレコーディングを行いました。初レック、新しいチームで執り行いました。
お世話になった横浜橋スタジオのエンジニア・中山さん。僕達のパッションをスイスイ掬い上げながら、見ているが、それより先の音像に真っ先に到達しながら記録していくあの感じ、未来でも一緒に録音することを既に約束しています。面白く、新鮮で、仮ミックス・仮マスタリングの段階から全てを委ねようと、僕は余りにも自然に思えていました。
そしてディレクターとして現場に参加して下さった戸塚ファーストアヴェニューの中嶋さん。この方がいなければ今回のレコーディングは一つの本質的な到達点へ辿り着かなかったと、確信的に思います。その楽曲、その演奏が物語る外壁と内壁の間をどうするんだ、心との距離感は?という部分で言葉として落とし込む様な、普段からHIGH END LIEのライブPAを担当して頂いておりますがまたしても痺れる設計力に感服いたしました。
1st Digital Single『YES』が来春のサブスクリリースに先駆けて、2025年1月1日、bandcampにて先行配信されます。
HIGH END LIEの初公式音源、まずは是非とも聴いて頂きたいです。本当に僕達らしい、すごく良い音源ができたと思っています。
一瞬も纏めず、ただ書き連ねてしまったこの散文、最後まで読んで頂いてありがとう、ありがとう。
今年も大変お世話になりました。
来年も、まだまだ未熟な私とバンド・HIGH END LIEを厳しくご指導頂きますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
2024年12月31日
山下雄平
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